「建工保険」といってもピンと来ない方が殆どではないでしょうか(私自身もそうでした)。住宅建設工事に関する保険のことで、期間は1ヶ月単位です。
問題を生じさせた当事者(=責任のある人物)が責任を負うべきなのは言うまでもないですが、例えば落雷事故の場合はどうでしょうか。
実は、法律(民法)上は、当事者どちらの責任でもない場合の、リスク分担(法律用語では「危険負担」と言います)を、こう決めています。
「特定物(注:この場合は建物)について、当事者どちらにも責任のない損害発生(例:焼失)のリスクは、施主が負担する。この場合、施主は建物が既にないのに、代金の支払義務がある」(以上意訳、民法第534条1項より)
どうですか。法学部出身の方には「当たり前」の話ですが、意外と感じる方が多いのではないでしょうか。ハウスメーカーの場合、法律的な観点はさておき、企業イメージ重視のため、自己負担で保険を掛けていると思われます。(その分も「経費」に含まれているはずです)
もちろん、当事者間の合意で、この原則(「債権者主義」)を変更させる合意も可能ですが、考えていただきたい点があります。
仮に、相手方に損害賠償請求できるとして、「請求できる」≠「(実際に)賠償金を取り立てる」であって、必ずしも同じ意味ではありません。
ちなみに保険料は、家一軒で5〜6万円程度です。また、「建工保険」は建物引渡し前までが対象となっています。これに対し、火災保険は「人が住んでいる建物」が対象ですので、当然引渡し以降が保険の対象です。この2つの保険を、切れ目なくどうつなぐかも、なかなか難しいところですね。