ところで、支払時期と家の完成度について見てみましょう。
あくまで例ですので、施主の支払金額と支払時期はハウスメーカーの事例を参考に設定し、下職への支払金額と支払時期は私の事例を例に取って比較してみました。代金支払時期のギャップ(施主⇒元請け⇒下請け)のありがちなミスマッチがあることがわかります。

うまく最後まで「自転車操業」すれば良いですが、中にはそういかない場合もあります(稀ですが)。具体的に言うと、工務店が代金を受け取って、下職に支払わないまま倒産した場合です。(このように、資金を別の支払、用途に流用し辻褄合わせをすることを、経理・財務担当者は「資金繰り」と呼びます)そのような場合、下職は代金を受け取っていませんから、それを理由に作業を進めないでしょうし、潰れた会社がその分を支払ってくれるとも思えません。

では、仮に作業を進めないとして、現場の「家もどき」はあなたのものかというと少し微妙です。というのは、その下職は「ある種の担保権」(留置権とか先取特権とか)を主張するでしょう。工務店への支払を主張したところで、それは施主と工務店の間の話ですので、下職には(少なくとも法律的には)話が受け入れられないでしょう。

結果、そのツケは施主が被ることになるのは明らかです。おまけに、自社工場で生産する自社オリジナル部材を用いる工法では、他社に引き継いでもらうこともままなりません。これは、この例での工務店への支払いが、(私たちの世界で言うところの)「裸債権」(=無担保という意味です)であるところから来ています。(家を建てる際の支払金額について、債権保全を考える客などあまりいないでしょうが)

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